どうも鈴木テツです。
お金好きが高じて会社と「鈴木、お前お金好きだよな?もっと学ぶ機会やろうか?」「はいっ!」いうシンプルなやり取りを経て最近、会社のお金でビジネススクールに通わせて頂き、ファイナンスを学んでいます。
何十万円もする講座を会社のお金で受講出来ており、お金好きって公言していてよかったと思う今日この頃です。
ぶっちゃけファイナンスの基礎は普通にこの本を読めばわかります。
入口として、もう少しくだけた表現がよければこちらの方がおススメです。
口語的な表現で本当に授業を受けているような感じでわかりやすいです(お値段的にも取っ付きやすいのでおススメ)。
今回講義で体系的にファイナンスの基礎を学んだり応用編として実際のM&Aのケーススタディをしているわけですが、そこで日常生活にも役立つことを紹介しようと思います。
今回は基礎も基礎、超基礎的な話なのでご存知の方も多いと思いますが【お金の時間的価値】を紹介します。
今100万円をもらうのと、1年後に100万円をもらうのとどっちがお得か
今100万円をもらうのと、1年後に100万円をもらうのとどっちがお得か?
この問いを即座に合理的に説明出来る方は、読み飛ばして頂いても構わないです。いややっぱりさみしいので読み飛ばさないで欲しいです。そして説明出来ない方は是非考えてみて下さい。
改めて、今100万円をもらうのと、1年後に100万円をもらうのとどっちがお得でしょうか。
とにかく今すぐ欲しいという人もいるでしょうし、もらったら使っちゃうから1年後にもらえる方が有難いなんて人もいるかもしれません。
とりあえずもらっておいた方が安心という人もいれば、1年後の忘れた頃にもらう方が有難みが増すから嬉しいから1年後に貰う、なんて人もいるかもしれません。
ファイナンスの世界では、明確に今すぐに貰う方が正解なのです。なぜなのか。
ファイナンス的に正解というのはお得という意味です。ぼくのお金の次に好きな言葉です。
ではなぜ今すぐもらった方がお得なのか。
そこにはお金の時間的価値があるからです。
お金の時間的価値について
お金の時間的価値というのは「お金は時間が経てば増やせる」というものです。
例えば、100万円をもらって1年間1%の利回りで運用出来れば、1年後には101万円になり、1年後に100万円を貰う人よりも手元に1万円を多く手にしていることになります。
このことからファイナンス的=お得かどうかの基準で言うと、今すぐ100万円を貰う方が正解なのです。
ちなみに本当に1%で運用出来るのか?という意見があるかと思います。
リスクフリーレート(=リスクゼロで元本も減ることが絶対にない投資の利回り)の母である国債の利回りは現在0.05%です。
尚、国債のアレコレはこちらの記事で紹介していますので、参考まで御覧頂けたら嬉しいです。

もう一つのリスクフリーレートの父である定期預金の利回りは、0.1~0.2%です。定期預金のアレコレはこちらの記事で紹介していますので、参考まで御覧頂けたらマンモス嬉ピーです。

ですので、先例の1%でリスク無く運用するというのはなかなか難しいかもしれません。ただファイナンスの現場(会議室?)では「俺は3%で運用出来る自信があるから、1年後に101万円貰える権利を今100万円で買いませんか?というオファーに対してはお断りじゃ!」「いやいや、3%で運用ってこのご時世どうやって達成するんじゃい、われ!」というような議論が為されていたりします(ほんとはもっと要素は複雑ですが)。
というわけで、話がそれましたが、お金には時間的価値があるので、早めに貰うのが吉、ということですね。
ということは支払いは出来るだけ遅くが正解
お金をもらうのは出来るだけ早く、という考え方は、イコール支払いは出来るだけ遅くということになります。
100万円を今払うか1年後に払うか、という支払うタイミングを選べるなら1年後にした方がお得ということですね。
手元にある100万円を1%で運用して、1年後に101万円に増やしてから約束通り100万円を支払えば、手元に1万円残るので、お得となるわけです。
「お金をもらうのは出来るだけ早く」と「支払いは出来るだけ遅く」という考え方に共通するのは出来るだけ手元にお金を置いておいて運用に回して増やすということですね。
そうゆう意味ではマンションの手付金とか敷金とかって、不動産会社は最高なわけです。お客さんのキャンセルリスクや家賃滞納のリスクを回避する目的を達成しつつ、手元に現金を貰っておいて運用して運用利回りを上げるわけです。
で、お客さんの実際の購入時や退去時に預かった元本のみを返金すれば大丈夫なわけで、運用利益分ぼろもうけなわけです。そんなわけで、こちら一般ピーポーとしては「ただ単純に不動産屋にお金を預けているだけで、将来そのまま返金されれば問題無し」という認識でいれば、めっちゃ機会損失をしていることを自覚していないド素人ということになります。とはいえこの事を不動産屋にクレームしてもしょうがないのですが。。。
この理論を日常生活で実践してみた
以上のように「お金をもらうのは出来るだけ早く」かつ「支払いは出来るだけ遅く」そして「余ったお金は運用に回す」ということを日頃から心掛けていれば、実践している人とそうでない人との間に少しずつ差がつくはず。
そして実践している者はやがてお金持ちになれる!と思った鈴木少年は、3か月間ほど実践してみました。
但し、いちサラリーマンのぼくは、なかなか入ってくる給料などのお金を早めることは難しいので、支払いの部分は遅らせるよう取り組みました。
具体的には遅延金利等が発生しない範囲で日々の支払いも分割払いにして支払う。
公共料金などの振込は、締切間際まで引っ張ってから払う。
同僚への飲み会代の支払いも「1、2週間後の別の飲み会と精算するから」と言って待ってもらったりした。
色々調整もしんどかったですが「俺は得をしている」という思いを胸に、しばらく実践していましたが、結果としては何も変わりませんでした。むしろ不健康になりました。
この理論を日常でおススメ出来ない理由①運用先が無い
そもそもみたいな話ですが、運用先が無いのがもっとも大きな問題でした。個人レベルの数千円単位の少額の投資を、かつ1カ月間などのめちゃくちゃ短期間で運用出来る案件なんてないのです。
ぼくがやりたかったことは例えばですが、今月末に支払う必要があるガス代5,000円を、支払うべき月末までの30日間で運用して増やそう、でも支払う必要があるのだから元本は棄損するわけにはいかない、ということです。
そんな少額で短期で元本保証でサクサク利回りが出る案件なんてありません。あったら普通に大金突っ込んでやってます。
但し、ぼくはただのお金が大好きな一個人でしかないのでリサーチ力も限界があります。
もしかしたら世界中探せば、そんな案件があるのかもしれません。
但し、もう一つの理由で出来ないと思います。
この理論を日常でおススメ出来ない理由②資金繰り管理無理ゲー
少額を短期でグルグル回すって、いくらネットで資金移動も出来る時代とはいえサラリーマンとして日中働いている一個人では対応出来ませんでした。
支払いを調整して遅らせていた3か月間くらいは、資金繰り管理のストレスで発狂しそうでした。
正直なんでもかんでも先延ばしにするので、「いつまでに」「何を」「いくら」払えばよいかの管理が煩雑過ぎて、日々火の車みたいな感じで、意味もわからず自己破産したい気持ちになりました。
正直この支払いを遅らせるという理論を実践していることによって、いくらお金が余っているのかもわかっていなかったですし、ましてやその余ったお金を投資するなんて余力はありませんでした。
企業の経理部や財務部や出納の方々がいるから、大企業の金は回っているんだなということを実感した3か月間でした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。前半は【お金の時間的価値】なんて高説を垂れましたが、それを実践してみた結果散々だったことも含めて参考になっていれば幸いです。
ぶっちゃけ個人レベルで日々の支払いや運用という資金管理をやるのは無理です。
生兵法は怪我の基。
ファイナンスをちょっとかじった素人が下手に実践しようとして友人を失いかけたり、東京ガスから「支払わんのやったらガス止めまっせー」と言われないよう、支払いが必要なものは即座にその場で決済するのが健全であることがわかりました。
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