どうも鈴木テツです。
最近ビジネススクールでファイナンスを学んでおりまして、そこで「投資にうまい話がない理由」を教授が話していたことが明確過ぎたので、紹介します。
「簡単に儲かる話なんて無い」ってことはなんとなくはわかるけれど「無い」ってことを合理的に説明出来るかというと難しいですよね。
それを今回合理的に説明します。
結論から言うと「神の見えざる手が働くから」です。ゴッドハンドです。
意味がわかりませんね。では順を追って説明していきます。
リスクとリターンは比例する
そもそもの確認ですが、投資は儲けたいから行うわけですが、そこで得られる利益がリターン、そのリターンが当初想定よりも儲からなかったり、なんだったら損をしてまう可能性のことがリスクですよね。
年間5%儲かると思って投資したら、結果としては2%しか儲からなかった。いやいや私なんかマイナスだったとか、俺なんかコロナの影響で含み損が80万円を超えていますとか。
リスクでけーよ!と思うことが多いのが常ですが、、、
リスクとリターンに話を戻しまして、大大大原則ですが、こうしたリスクとリターンは相関します。というか比例します。比例するからこその「ハイリスク・ハイリターン」とか「ローリスク・ローリターン」という言葉があるわけですね。
もしくは「虎穴に入らずんば虎子を得ず」ということわざがありますが、あれも英語に直せばHigh Risk, High Returnです。広義の意味では全く同じ意味ですので、万が一外国人に聞かれても、そう答えておけば問題はないかなと思います。
漫画でいうと誓約と制約ですね。これはハンターハンターという漫画に出てくる大事な設定で、「この誓約を破ったら自分は死ぬこと」というような厳しい制約を自分に課すことで、より一層高い能力を得るということですが、これもハイリスク・ハイリターンと言い換えることが出来ますね。

ハンターハンター第9巻より
ドラゴンボールのサイヤ人が死にかけの状態から回復すると強くなるという設定もハイリスク・ハイリターンの設定ですね。地道な修行で強くなることもできますが時間が掛かります。そこで一歩間違えたら死ぬというリスクを冒すことで、手っ取り早く強くなるというリターンを得ることが出来るわけです。

ドラゴンボール22巻より
尚、死にかけて回復すれば手っ取り早くパワーアップできるので、無茶を言うベジータさん。
う〜ん、クリリンの困り顔が目に浮かびます。
すみません、漫画の事例が過ぎました。。。
現実世界に目を向けると職業選択もそうですね。相対的に借金を背負うなどのリスクはないが給料も爆発的に上がらないサラリーマンはローリスク・ローリターンです。一方、成功するかどうかわからない起業家は、売れてしまえば莫大は資産を築くことも出来るハイリスク・ハイリターンですね。起業家だけでなくアーティストやお笑い芸人なんかもハイリスク・ハイリターンと言えそうです。
このように漫画の世界から現実世界まで、リスクとリターンは正比例の関係にあることが、しつこいくらいの事例を紹介したことで、おわかり頂けたかと思います。
市場に出回る以上、需要と供給の関係から価格は適正化される
そしてまたまた大事なのが、リスクとリターンには市場原理が働き適正化されるということです。
どういうことかと言うと、アダムスミスの神の見えざる手が働くということです。
あ、すみません。(地方私立大学卒業の)あふれ出る教養が漏れ出てしまいました。
アダムスミスの神の見えざる手というのは一種のスタンドではなく、経済学者とその有名な言葉です。
アダムスミスと言うのは1970年代の経済学者で「国富論」という経済学史上最大の古典と呼ばれる著書の作者です。
実際にはアダムさんは著書の中で「神の」とは書いていないそうなのですがカッコいいので「神の」が定着して後世に伝えられたとか伝えられていないとかですが、その著書の中で紹介している資本主義の原理・原則が「(神の)見えざる手」というものです。
これは資本主義の中で「モノの価値」が需要と供給のバランスによって、自然と適正な価格に落ち着くという仕組みであり、あたかも神様が図ったように価格が調整されていくことから「神の見えざる手」と言われているものです。尚、これら説明は完全に地方私立大学の経営学部の講義で、眠気により薄れゆく意識の中でぼくが聞いた内容を、今のぼくが記憶ベースで文字起こししたものですので、正確性には欠けますがイメージは合っているはずです。
具体的に言うと、パン屋が儲けようと思ってアンパンを1,000円で売っても誰も買わない。逆に10円で売ったらみんな買って品薄になるけれど、パン屋には安すぎるので利益が発生しない。300円にしてみたら少ししか買われない、80円ならやっぱり大部分の人が買って品薄になる、でもまだ十分な利益が出ない、そこで100円で売ってみたら、作ったパンの数だけ買いたいという人が出てきて、かつパン屋もちょうどいい具合の利益が生まれる値段なのでアンパンは100円で売られることになる、みたいな話です。
こうして市場の中で、揉まれて、踏まれて、売れ残って、在庫になって、叩き売られて、買い占められて、ワーワーやってるうちに結果アンパンが100円に帰結するという、需要と供給が最適化していく様を神の見えざる手が働いたというように言います。
例えはアンパンの話ですが、投資の話も同じことですね。
投資話のリスクとリターンも神の見えざる手によって最適化される
投資話もアンパンの話と同じで、市場原理が働いて最適化されます。
ちなみに最適化されるのは、アンパンのように「価格」ではなく、「リスクとリターンの関係」が最適化されます。
ハイリスク・ローリターンの儲け話なんて誰にも見向きもされません。一方、ローリスク・ハイリターンの話だと殺到され過ぎて出回らなくなります。
結果としてリスクとリターンも最適化されて、リスクに対して適正なリターンがある話や、リターンに対して適正なリスクがある話だけが市場に出回るようになるのです。
ですが、稀にこのバランスが崩れた話があります。それがインサイダー情報による儲け話です。これは、リスクが極端に小さく、リターンが極端に大きい話であり、犯罪としてのインサイダー取引を除いて、誰もが手にしたい儲け話になります。
濡れ手で泡ってやつです。また地方私立の教養が出てしまいました。
しかしこうした話は、要は一部のごく限られたコミュニティでのみ交換される話であり、市場に出回るものではありません。
ですので、一般ピーポーが触れることが出来る投資話は、例外なく全て市場原理が働いてリスクとリターンが最適化された話になっています。例外なく全てです。
従い、リスクとリターンは確実に釣り合っているはずですので「投資案件がある」「儲け話がある」といってリターンばかりを説明してくる人は、確実にリスクを隠していることになりますので、要注意です。
まとめ
投資にうまい話がない理由を合理的に説明するということですが、この結論はこれまでの説明を踏まえると以下のようになります。
うまい儲け話とはローリスク・ハイリターンですが、
一般ピーポーの我々が生きる世界には、
市場原理が働いているものしか出回ってなくて、
市場原理が働いているものはリスクとリターンが最適化されたものであり、
ローリスク・ハイリターンなんていうバランスの悪い話は存在しない。
ってことですかね。
この記事の本当の結論は「自分が何者でもなく一般ピーポーであることを自覚する事こそが、うまい儲け話という詐欺案件や嘘の投資話から身を守る最善である」という悲しい事実なのかも知れません。
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